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剣聖高野佐三郎顕彰会

剣聖高野佐三郎は、秩父に生まれ江戸期から昭和を生き、

激動する時代の中で剣術を剣道にまで昇華させました。

その功績は、近代史に大きな足跡を残しています。

先生の偉業を後世に残すべく、私達は

「剣聖高野佐三郎顕彰会」を発足しました。

高野 佐三郎

 高野佐三郎は、今から161年前の文久2年(1862年)6月12日に秩父郡大宮郷(現在の秩父市)に生まれ、明治から昭和にかけて生涯を剣道にささげた日本を代表する偉大なる武道家であり「剣聖」と言われ近代剣道に大きな功績を残し、昭和25年12月30日(廣見寺過去帳による)亡くなられました。(89歳)

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高野佐三郎と剣道

3歳になった時に、秩父地方では有名であった剣術家の祖父佐吉郎(苗正)より桐の木で造った木刀を頂きました。佐三郎は、祖父から小野派一刀流の剣術を教えて頂きました。 

(小野派一刀流とは、昔の剣術です。)

稽古は大変厳しいもので、道場に豆をまいて「ゴロゴロ」する豆を踏みながら足さばきの稽古をしたり、目隠しをして稽古をしたそうです。

佐三郎は、5歳の時に祖父と小野派一刀流の組太刀56本を、当時の秩父地方を治めていた忍藩の殿様であった松平下総守忠誠公の前で披露しました。殿様は、幼い子供の腕前に驚き、褒美と「奇童」の二字を佐三郎に贈りました。祖父はとても感動して涙を流したそうです。その時に使用した袴は、高野家の家宝として残されているそうです。

(「奇童」とは、とても優秀な子供という意味です。)

明治12年(1879年)佐三郎が、18歳の時に、児玉郡賀見村(現在の上里町)の陽雲寺というお寺で剣術の大会が行われました。この剣術の大会には現在の埼玉県内、群馬県内の剣術家が大勢集まり盛大に行なわれました。佐三郎は祖父の代わりに大会に出場しました。

高野佐三郎に関する建物や碑

Buildings and monuments related to Sasaburo Takano

明信本館

昭和5年秩父明信本館完成

秩父市中町21番5号

昭和40年10月1日秩父市指定史跡

高野佐三郎遺跡(明信本館及び遺品一式)

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頌徳碑

高野佐三郎頌徳碑建立
昭和30年5月21日
秩父神社境内

剣聖高野佐三郎先生頌徳碑

         荒木貞夫書

剣道範士高野佐三郎豊正先生は文久二年六月二日埼玉縣秩父郡大宮町高野芳三郎氏の長男として呱々の聲を挙げられた先生は天資頴悟幼少の頃祖父高野佐吉郎苗正翁の薫陶を承け慶應二年三月五歳の時忍藩主松平下総守の御前に於て苗正翁と小野派一刀流組太刀五十六本を演じ不出世の天稟を激賞せらる。爾来剣道修行に精進する事実に八十有餘年遂に一世を風靡して我が國の剣道界に君臨せられるに至った。明治十九年警視庁剣道教師を拝命し明治廿九年東京麹町九段下に明信館本部を設立し又日本体育會の結成並に大日本武徳會の創立に協力貢献せられた。明治四十五年大日本帝國剣道型制定の主査委員として薀蓄を傾け大日本武徳會々長大浦兼武氏より特に感激の賞詞を贈られ大正二年武徳會最高栄誉たる剣道範士の称號を授与せられた。明治四十一年東京高等師範学校長嘉納治五郎氏の懇望により同校剣道科講師に就任し昭和十一年勅任教授に進み正四位に叙し勲四等瑞寶章を授けられた。蓋し剣道家として古来その例を見ざるところである。又明治四十三年以来早稲田大学剣道師範として同大学剣道部育成に努め同部をして学生剣道界に重きをなさしめ更に埼玉神奈川両縣の武徳會支部陸軍戸山学校陸軍士官学校海軍機関学校等の剣道師範となり其の間全國各地の学校並びに団体より屡々聘せられて講習指導を行ひ剣道の普及発展に寄与せられた功績に頗る大なるものがある。先生は従来の剣道指導法を教育的に検討の上終に剣道基本教授法を創制して之が合理化を図り特に学校剣道を近代的形式に整備せられた。大正四年多年に渉る研究工夫の成果を結集して名著剣道を世に公にしたが恰も大旱に於ける慈雨の如く剣道界の待望に適ひ大いに斯界を啓蒙裨益する所があった。先生の演武たるや姿勢態度は端麗高雅進退屈伸は無礙自在技法術理は精妙巧緻を極め之が渾然一体となって観る者をして芸術的感激に陶酔せしめ齢古稀を超えて猶矍鑠親しく道場に立ち後進を指導して飽くことを知らず、門下生萬餘を数え一代の師表と仰ぎ慕はれ、天覧、台覧の光栄に浴すること数回に及んだ。昭和二十五年十二月三十一日鎌倉稲村ヶ崎に八十九歳の天寿を完うして輝かしい生涯を終へられた。菩提寺は秩父大宮の廣見寺である先生の我が國剣道界に貢献せられた偉大な功績を称へ其の徳を永く後世に伝へるために門下生並に有志相謀り茲に秩父神社境内の地をとし先生の頌徳碑を建立する所以である。

昭和三十年五月二十一日

     門下生  剣道範士   佐藤卯吉 謹選

     建設委員長剣道範士   白土留彦

故高野佐三郎先生頌徳碑建設代表委員

 

東京都

 笹森 順造   大澤 龍   小川忠太郎   栗原友三郎

 佐藤 貞夫   髙橋 英   渡辺 太吉   鶴見 岩夫

 奥山 直文   佐土原勇   瀧澤 光三

 

教育大学

 森田文十郎   鈴木 幾雄

 

早稲田大学

 玉利三之助   鈴木 温

 

埼玉縣

 小澤 丘   長谷川己之吉   諸 武三郎   薗田 武男

 

神奈川縣

 横松膳三郎   小野 政蔵

 

千葉縣

 大澤 亮一   福岡 明

 

栃木縣

 岩瀬鉾太郎   藤沼友之助

 

茨城縣

 佐藤 信雄   川島 満雄

 

宮城縣

 乳井 義耀

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